地域企業魅力発信
インタビューシップ

大阪府の企業

2017/01/16

有限会社藤川樹脂 (平成28年取材)

有限会社 藤川樹脂 様

取材者 帝塚山大学 心理学部 間木聡一、青木史穂

 有限会社藤川樹脂様は1982年創業、堺市に本社を置き、3Dデータ化技術を用いたソリューション解決や30年以上にわたって各種プラスチック成形加工事業をしている会社です。主に、フィルム製品を保護するためのプロテクター造りや射出成型品をメーカーから請け負っています。自社の開発力強化を実現するべく3Dプリンターを導入。3Dデジタルデータ化技術「マジカルソリューション」を用いて、デザイン、製品設計及び試作品の提供まで、トータルでの対応までを行い、低コストでの製品の試作、修正が可能、他会社ではできないデザインや設計も自社で行っています。平成26年には「高度な技術力」や「高品質・低コスト・短納期」などを持つ大阪府内の優れたものづくり中小企業を表彰するための「大阪ものづくり優良企業賞2014 優良企業賞 」を受賞しています。会社の概要を多くの方に知ってもらうために、SNSを通じて会社の情報を発信し5S活動にも力を入れています。

会社名 有限会社藤川樹脂
本社所在地 〒587-0012 大阪府堺市美原区多治井814
資本金 500万円
従業員数 14人
業 種 プラスチック製品加工業
U R L http://fujikawa-jushi.co.jp

【藤川社長に聞く】有限会社藤川樹脂の強み

 有限会社藤川樹脂様は、プロテクターの製作、射出成型の量産などを中心として経営してきた。しかし現状は、「依頼され生産した商品は、メーカーの製品になるため自社商品として表に出すことができない」、「量産品になるため他社との受注競争率も激しい」、「マスコミや同業他社の情報によって会社運営が左右されやすい」等様々な問題があった。この現状に強く危機感を感じた藤川代表は、新たな会社の方向性を模索してくために3Dプリンターを導入した。これを導入することにより、従来ではできなかった試作、金型製作が可能となり仕事が集めやすくなった。更に、デザインの工程も加えることにより、ポンチ絵というスケッチを頂いてそれを元にしての設計も可能となった。

【藤川社長に聞く】有限会社藤川樹脂の技術力のここがすごい!!

 現在の1つの製品を作るときの工程は、デザイン→設計→試作→金型→トライ→量産→納品である。もののデザイン、試作、製作を提供し、全てを受け入れ付加価値を安売りはしないことにしている。その具体例として、ソーラーカーのミニカーが挙げられる。ミニカーは、モックアップを3Dプリンターで試作し、金型のコストが下げられるように工夫した。その結果、短納期での対応が可能となり、国内の企業や中国の企業も断ったことを成し遂げたので高評価をいただいた。また構造的に難易度の高い加湿器もデザイン提案から内製で行えるため、開発のスピード化が可能となった。

【藤川社長に聞く】有限会社藤川樹脂 未来のビジョン

 近い将来社会の構造的な変化によって、町工場がなくなっていく可能性がある。町工場がなくなっていく中で生き残っていくために、 「受注されたものを作る」から「自社で開発する」に方向性を変えていくことが必要であるという。
 以前までは仕事を自ら取りに行っていた。しかし、それではデフレが起きた場合、経営は最悪の状態となる。そこで、仕事を「取りに行く」から「来てもらう」営業に変えた。
 見えない技術を売り出しているので、この会社を知ってもらう機会がない。なので、この会社を知ってもらう、見てもらうことに焦点を置いた。YouTubeやFacebookに動画を上げて社内の雰囲気などを発信した。
 その活動を行った所、お客様が来たり、大手企業メーカーのOBが見に来てくれ、お墨付きをいただき、色んな情報をもらうことが出来た。それによって、他者にはない強みがあることを他企業に理解してもらい信頼を獲得した。
 なので、藤川樹脂様の未来のビジョンは実際にものを作るからソフトウェアや3Dプリンターを活用し、ものを開発するにシフトすることである。

【藤川社長に聞く】有限会社藤川樹脂が行う5S活動とSNS活動

 他企業に会社を見てもらう時に、5Sというとても重要なものがある。5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、躾のことである。これが重要なのは、SNSで社長自らを売り出す際に作業員に目がいく。その時に床の安全線やスキル評価表の掲示などを同時に視野に入れてもらうことでより大きな信頼を他企業から得ることが出来るのである。また虫がどの場所に何匹いたかを記録し多い所を対策している。これはクレームや不良品が出ないように、クリーンに心がけるために大切なことである。実際のところ3Dプリンターを導入してから、SNSで社内の情報を発信すると、問い合わせは増加している。また、口コミでも広がっているため、口コミでの集客にも期待している。

取材者が感じた有限会社藤川樹脂の魅力

 藤川樹脂さんにインタビューシップに行かせていただいて感じたことは、お客様の要望に出来るだけ答えられるようにするために、1からの製作が出来るようになったり、3Dプリンターを導入するなどをして常に新しいことに挑戦し、その成果を挙げられているという印象がとても強かった。未来のことを考え、今何をするべきなのかといった目標が決まっていてとても素晴らしいなと感じた。
 実際に工場内を見学したときに、5Sをとても大切にされていて、その積み重ねが信頼につながっていくのかと考えた。来てもらう営業を成功させるためには何が足りないかを理解しそこを直すための見えない技術が藤川樹脂さんの営業を支えているように感じた。

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