地域企業魅力発信
インタビューシップ
兵庫県の企業
高丸工業株式会社 (平成28年取材)
高丸工業 株式会社 様(※高ははしご高)
取材者 神戸学院大学 藤井友裕
本社工場(JFE西宮工場内)
高丸工業株式会社は、 兵庫県西宮市に位置する産業用ロボットのシステムメーカーです。ロボットシステムインテグレータとして様々なメーカーの中から最適なロボットを選択しシステム導入を行っています。また、併設する(株)ロボットテクニカルセンター(旧ARTC)では、安全特別教育のほか地元高校生や修学旅行生などに対し、ロボットの啓蒙活動や人材育成を行っています。 長引く景気低迷の中、製造業の数も減り、若者が技術を身につける環境がなくなりつつある昨今、これからの日本を支える若者たちに、技術の継承や発展は基より、仕事の楽しさや喜び、辛抱することや一つのことを成し遂げる気概といった"人間教育"にも力を注ぐ。そして、ものづくりの基幹技術の魅力や楽しさを伝える活動にも力を注いでいる企業です。
今回のインタビューでは、藤本取締役に会社の魅力、そして吉田由美 総務部長に現場の魅力を伺いました。
工場内取材の様子
吉田由美 総務部長(左)取材した藤井さん(右)
高丸代表取締役に聞く!新日本溶業株式会社の魅力
まず、高丸工業株式会社はどのような会社か聞くと、「産業用ロボットシステムの企画、製造、ソフト開発などを手掛けるロボットシステムインテグレーターです。全てのロボットメーカーと取引をしている特徴を生かし、ユーザーに最適なロボットシステムを提案しています。」と答えてくれました。
さらに話を伺うと、「ロボットは多品種少量生産を機械化する為に開発されましたが、大半が大量生産を行っている大企業で使用されています。多品種少量生産を行っている中小企業では、ほとんどロボット化が進んでいません。」と現状を教えてくれました。
その理由を聞くと、「投資額が大きいのもネックですが、最大の理由は操作が難解で使える人がいないからです。」とのことです。中小企業でのロボット活用の展開はそう簡単ではなく、なかなか難しいようだ。「高丸工業株式会社では、そうした状況を変えようと平成18年に「異分野連携新事業分野開拓計画」の認定を受け翌19年に「尼崎ロボットテクニカルセンター(ARTC)」を設立しました。その後、平成28年4月には(株)ロボットテクニカルセンターとして法人化し、同年9月には、高丸工業(株)本社工場内に、規模を10倍にして移転し事業展開をしています。」と、高丸代表は会社の取り組みを教えてくれました。
ロボットテクニカルセンター(RTC)」の具体的な施策を聞くと、「ロボットテクニカルセンターはユーザーにロボットを選んでもらう場です。実際に使った上で自社に最適のロボットを選べば間違いの無い投資が出来ます。また、ロボットを使う技術者の養成スクールも開いています。」との言葉を聞くことができました。
では現在、私たち若者に今、求めているようなことはありますか?と尋ねると、「やっぱりロボットに興味を持ってもらう事ですね。ものづくり現場の傾向として人材不足が大きな問題となっており、このような現状に対する解決策としてのロボット化は政府の施策ともなっています。就業前の高校や大学生へのロボット教育や啓もう活動が有効であると考え、就業体験の受け入れやセミナーなどを積極的に実施し、ロボットの魅力を伝えています。」とのことです。代表のロボットへの情熱が、高丸工業株式会社の取り組みを通して、将来の日本を担っていく若者へ広がっていってほしい。
表彰などはありますか?と聞くと、「高丸工業株式会社では、平成21年より毎年行っている「ロボットって何?セミナー」や高校生の産業用ロボット安全特別教育修了証取得による就労支援に対し、第6回「ものづくり日本大賞」の経済産業省「青少年支援部門特別賞」を受賞する事ができました。」と、納得の答えが返ってきました。
最後に、求める人材について皆さんに一言。「機械との付き合いも人との付き合いと同じで、細やかな気配りや気づきが無ければなりません。そういった気配りの出来る『モテる』人材を求めています。」
企業名 高丸工業株式会社
住所 西宮市朝凪町1-50 JFE西宮工場内
連絡先(電話・HPアドレス) info@takamaru.com
事業内容 一般機械製造業
代表者 代表取締役 高丸 正
創業・設立 1966年5月8日
資本金 7500万円
売上高(直近3年分) 2015年度 657百万 2014年度 589百万 2013年度 445百万
従業員数 24名
平均年齢 40才
離職率または離職者数(直近3年分) 2015年度 1人 2014年度 1人 2013年度 0人
採用実績(直近3年分) 2015年度 2人 2014年度 3人 2013年度 1人
初任給(実績) 221,120円(手当含む)
賞与 約3か月
福利厚生 健康保険・厚生年金・厚生年金基金・退職金共済
休日休暇 日曜、祭日、土曜(但し、週労働日数5日)
勤務時間 7.5時間
モデル年収
年間休日数 112日
有給休暇取得率 平均約5割
月平均残業時間 約40時間
平均勤続年数 14年
障害者雇用率 無
従業員男女比率 男性8割、女性2割
【求める人物像】
誰とでもコミュニケーションが取れる方。技術系・管理系・総務系等職種に限らず客先と説明・交渉の出来る方を求めます。製造機械全てに開発的要素が含まれています。未経験な事柄にチャレンジ出来る方を求めます。
【吉田由美 総務部長に聞く!】高丸工業株式会社のここがすごい
中堅・中小企業への普及拠点として(株)ロボットテクニカルセンター(旧ARTC)を立ち上げたという高丸工業株式会社。ロボットと言えば、大量生産を目的とした大企業の製造ラインにずらりと並んでいる印象が強い。しかしロボットはもともと、多品種少量生産を機械化するために開発されています。中小企業のような多品種少量生産の現場でこそ真価を発揮します。しかし実際、中小企業でのロボット導入は進んでいません。大手企業と比べ普及が進んでいない理由にはロボットシステムを企画する人材がいない、導入によるメリットが分からない、最大のネックとなるのは操作が難解で使いこなす人材がいないということがあります。
それで2007年に「尼崎ロボットテクニカルセンター(ARTC)」を立ち上げました。その後2016年4月には(株)ロボットテクニカルセンター(RTC)として法人化し、同年9月には高丸工業株式会社 本社工場内に、規模を10倍にして移転し事業展開しています。
【吉田由美 総務部長に聞く!】(株)ロボットテクニカルセンター(RTC)のここがすごい
(株)ロボットテクニカルセンター(RTC)では、コンサルティング、トライアル、スクールを行っています。弊社の強みは、すべてのメーカーのロボットを扱っていることです。メーカー各社のロボットの特徴を把握しているため、お客様の作業内容に合わせて多方面から検討し、最適なロボットシステムの導入を提案できます。工場導入前にはトライアルを行いロボットのティーチングやジグとの取り合いなどのテストを行っています。また、ロボットスクールでは労働安全衛生規則に基づいた「産業用ロボット安全特別教育講習」を実施し、受講者には特別教育修了証を発行して、オペレーターの育成を行い、ロボットシステムの導入をサポートしています。
【吉田由美 総務部長に聞く!】(株)ロボットテクニカルセンター(RTC)スクールの取り組み
社会に出る前の高校生に、産業用ロボットやものづくりに関心を持ってもらおうと啓蒙活動として平成21年より毎年「ロボットって何?セミナー」を行っています。ロボットに触れ、興味を持つことによりロボット人材不足の解消に繋がればと考えて始めました。地元の高校生だけでなく、修学旅行生も参加されています。こういった活動や高校生への産業用ロボット安全特別教育取得での就労支援に対し、第6回「ものづくり日本大賞」経済産業省関係の特別賞(青少年支援部門)をいただきました。
【吉田由美 総務部長に聞く!】『どのような人材を求めていますか?』
コミュニケーションができる人ですね。あと、もてる人です。機械との付き合いも人との付き合いと同じで、細やかな気配りや気づきが不可欠です。そんな方を求めています。