地域企業魅力発信
インタビューシップ

奈良県の企業

2017/03/22

株式会社井上天極堂 (平成28年取材)

株式会社 井上天極堂 様

取材者 帝塚山大学

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「天の恵みを極め、和食材の文化とおいしさを伝えたい 」

井上天極堂の創業は古く、1870年に遡る。それから140年以上、先祖代々受け継がれた吉野晒の製法で吉野本葛を作り、伝統の味を守り続けている。また、葛を使ったオリジナルの製品を開発し、店舗やインターネットで販売。新たな葛の魅力の研究と発信に力を入れている。

 

取材を通じて感じたこと

 今回私達が企業訪問させていただいたのは、吉野本葛の老舗「 株式会社井上天極堂」様です。
井上天極堂様は、創業140年以上の老舗であり、老舗ならではの伝統の味と吉野晒(ざらし)の製法を守り続けています。井ノ上社長と社員の方にお話をお伺いしました。
 まず、 井ノ上社長は、 葛や伝統について、 そして新しい事業についてお話されました。 社長は私達に「葛を知っているか?葛を食べたことあるか?」と質問されました。私達は漠然とは知っていたのですが、社長は「年代や地域によっては葛を知っている人が減少し、食べる頻度も少なくなってきている。また、10 代、20 代の若い世代については全く知らない、一度も食べたことがない人が多い」とおっしゃっていました。私達は少し知っていたし、何回か食べたことがあった人もいたので、その現状に少し驚きがありました。今はまず葛について知ってもらうことが大事なので、伝統の製法と味で多くの人々に吉野本葛の魅力を感じてもらい、和菓子だけでなく洋菓子にも吉野本葛を使用した「くずの子ロール」や大型ショッピングモールにカフェを出店するなど、新しいことによって、若い世代にも関心を持ってもらうようにしているそうです。

 次に、葛や柿葉、桜葉、山芋など天然の伝統食品を使うことが大事だとおっしゃられていたことから、社名の由来である「 天の恵みを極める」こと、ありのままの自然の恵みをいただくことを大切にされ、代々受け継がれていると感じました。また、天然の食品を加工した「冷凍野菜ペースト」という新しい商品も造られています。さらに、たくさんの人々に知ってもらうために、奈良県内の小学校に葛餅の作り方など葛について社員の方が教える「出前授業」や、「葛の大感謝祭」で世界一大きな葛餅作りのイベントなど広報活動を行い、地域の活性化にも努められています。

 今回訪問させていただいたことで、知識や企業に対する考え方や視野が広がり、貴重な体験をさせていただきました。お忙しい中、ありがとうございました。

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会社名 株式会社 井上天極堂(製菓・食品材料の製造販売)
所在地 〒634-0833 奈良県御所市戸毛107番地
TEL 0745-67-1665
URL http://www.kudzu.co.jp
設立年 1987年(創業1870年)
資本金 1,000万円
従業員数 53人

企業の強み

“葛製品の開発・販売で、葛の魅力を広める”
井上天極堂は創業時から吉野本葛の製造・卸業を営んできた。しかし、昔は料理や和菓子に欠かせない食材だった葛も、ライフスタイルの変化により消費量が減少。そこで、葛の魅力を知ってもらい需要を高めるために、自ら葛を使った商品を開発。1996年に天極堂奈良本店を開店し、販売をスタートした。現在は奈良県内に7店舗を出店し、カフェなど新しいスタイルの店にもチャレンジしている。
 また、れんこん、枝豆、じゃがいもなど、30種類以上の冷凍野菜ペースト、さらに、柿葉、笹葉、桜葉、柏葉など様々な天然漬葉(ナチュラルリーフ)の製造も行っている。長年培ってきた農林物産のネットワークと豊富な経験・知識をもとに、「吉野本葛」「冷凍野菜ペースト」「ナチュラルリーフ」という事業の3本柱があることと、伝統的な製法を守りつつ、新たなものを創り出す商品開発力とを強みに、成長を続けている。

目指す企業の姿

“葛を通して和食材の文化と美味しさを伝える”
“天の恵みを極める”という社名の通り、天然の素材を大事にしている井上天極堂。吉野本葛の伝統的な製法を守り、安心・安全な商品を提供している。この素晴らしい吉野本葛を奈良の名産にしようと、社内で力を入れているのがイベントなどの広報活動だ。その取り組みの一つが小学校への「出前授業」で、企画室の担当者が奈良県内の小学校へ行き、吉野本葛の知識や葛を材料にした簡単なお菓子の作り方を子供たちに教えている。また、「葛の大感謝祭」を開催し、世界一大きい葛餅作りにも挑戦している。
 葛を通じて、和の食材や暮らしの豊かさと健やかさを今に、そして未来に伝えることが井上天極堂の使命だ。

先輩社員からのメッセージ

カタログ・HPのデザイン、店舗のディスプレイ、取材の対応、奈良県下の小学校へ吉野本葛の出前授業といった広報的な活動から、社内教育まで多岐にわたって仕事をしています。以前、端午の節句に合わせて「お節句葛餅」という商品のパッケージデザインをした時に、なかなか良いものができずに四苦八苦していたのですが、 社長や先輩のアドバイスの甲斐もあり最終的になんとか良いものができました。発売当日、実店舗にディスプレイしに行った時に小さい子供がお母さんに「かわいい!」と言っておねだりしているところを見かけ、「この仕事をやっていて良かったな」と、とても大きなやりがいを感じました。嬉し過ぎてその親子に見えないようにこっそり小さなガッツポーズもしてしまいました。今後の目標は「吉野本葛を奈良の特産品として奈良県の皆さんに再認識してもらう」ことです。

ちょっと気になる人

“新しい葛の魅力を追求したら…”
 会社でお客様向けに行ったお祭りの出店で、新しい葛の魅力を一般のお客様に知ってほしいと考え、和食のイメージの強い葛をあえてラーメンに使って提供しました。お客様からも「うどんには使っていたけど、ラーメンに使うとこんなにスープの味がまったりするとは知らなかった」という嬉しいお声もいただきました!

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