地域企業魅力発信
インタビューシップ

京都府の企業

2017/03/28

佐々木化学薬品株式会社 (平成28年取材)

 

kyoto_sasaki_1.jpg

会社名 佐々木化学薬品株式会社
資本金(万円) 6,000万円
従業員数(人) 83人
男女比  男73%:女27%
業種 その他の化学工業
平均年齢 40.2歳
平均勤続年数 15.2年
離職率 6.0%
有給休暇の取得率 61.5%
初任給実績 194,000円(大卒)
年間休日数 115日
月平均残業時間 38時間
採用実績
 2014新卒 1人
 2015新卒 0人
 2016新卒 3人
 2014中途 1人
 2015中途 3人
 2016中途 5人
最新の障害者雇用率 1.32%

モノづくりを支える2つの柱「金属表面処理薬品」「ドライキープ」

佐々木化学薬品株式会社のメーカー部門の核となる事業として、まず金属表面処理事業がある。「金属表面処理薬品」とは金属表面に薬品を用いて磨く・削る・サビを取るなど表面改質を行なうことで、金属加工をされている企業などのお客様から依頼された金属の材質や形状に合わせ当社オリジナルの金属表面処理薬品の提案を行っている。ひと言に金属と言っても、銅・鉄・ステンレスなどお客様の異なるニーズに応えるためお客様ひとり一人に寄りそった製品開発が行われており、日々新しい研究がされている。
次に、機能性樹脂事業では、樹脂と乾燥剤を一体化させてフィルムやシートに成形できる「ドライキープ」がある。これは湿度を化学的にコントロールする機能性樹脂で、医薬品や食品の包材に利用されている。この技術は特許を取得しており、医薬品だけでなく精密機器の防湿やガラスやレンズの曇り止めなどにも使用できるため、今後幅広い活用方法と将来性が期待できる。
また環境事業では、使用済みの金属表面処理薬品(=廃液)を再び使用できる薬品に再生する「薬品再生技術」の開発に取り組んでおり、環境に配慮した社会貢献が行われている。環境への負担を減らすことで次世代につなげる努力をしていることも企業の大きな魅力である。

化学の総合会社として「お客様の要望にお応えするために」

佐々木化学薬品株式会社はメーカーとしての一面だけでなく、商社としての一面も有する企業であり、研究開発が理系の職種であるならばこちらは文系の職種といえる。
営業ではお客様とのコミュニケーションから正確な要望を聞き出し、それに適した商品を紹介しなければならないため対話力と提案力が必要とされる。営業の方からは「私たちの営業スタイルは、お客様ひとり一人のことを入念に考え、直接お客様との対話のなかからご要望をお伺いすることです。お客様の期待に応えることができたときは、やりがいにつながる。」とのお話をいただいた。また、経営企画室ではWebでの集客の役割りを担っている。ホームページを活用して自社の製品・サービスのPRを展開しており、集計したアクセスやお問合せのデータの分析を行っている。現在では個人客へのネット販売として楽天市場でのショップ運営にも力を入れており、レビューから探ったお客様のニーズを踏まえた新製品の企画なども行っている。
顧客のニーズが新しいものづくりに大きく活かされるように、理系と文系が互いに上手く関わり合ったアットホームさも魅力的に感じた。

ワーク・ライフ・バランス

佐々木化学薬品株式会社は、2012年に京都市「真のワーク・ライフ・バランス」推進企業表彰 市長賞を受賞した。ワーク・ライフ・バランスを意識し始めた背景には、社員のライフ、すなわち私生活を重視し、仕事だけで終わってほしくないという思いがあったことが挙げられる。以前は残業をする社員も多くいた。しかしながら、2007年から毎週水曜日は18時までには退社するよう促す「ノー残業デー」を設けたことにより、社員の意識も変わり仕事の効率も上がった。この取り組みを進めていくにあたって、毎月キャリアコンサルティングの資格を持つアドバイザーに人事労務管理の指導も受けている。
このようにワーク・ライフ・バランスを意識し、定着させていくことにより女性が働きやすい職場環境も自ずと生まれていった。例えば、1991年に育児介護休業法で定められた育時休業を利用する社員はなく、妊娠すると退職してしまう女性が多かった。
そこで1998年に育児休業規程を定めた際に、総務担当者から既婚の女性社員に「妊娠しても退職せずに、育児休業制度を利用して働き続けて欲しい」と制度の利用を呼び掛けた。管理職をはじめ社内全体にも社内報等を通じて育児休業規程が周知された1999年、最初の育児休業の取得があった。
それをきっかけに、育休を取得し、職場復帰してもらえるように制度が整えられ、現在では利用者も増えた。また、短時間勤務制度も充実しており、現在では子どもが小学3年生の間まで利用することができる。この短時間勤務制度を取り入れることで、勤務時間を意識し、限られた時間を上手く使うことができるようになった社員が多くいる。また、育休は子どもが1歳になるまで取ることが可能であるが、法的な事由により復帰が出来ない場合は、最長2歳まで育児休業の取得が認められている。
育休から復帰する際には、事前に今後の働き方を相談することができ、自宅でできる課題が与えられる。そうすることで、復帰してからもスムーズに仕事ができるような体制が整えられている。育休制度や短時間勤務制度を利用する社員に対する偏見の目もなく、後押ししてくれるため、それらの制度を利用しやすい社内環境がある。

MSK:みんなで 素早く 課題解決

佐々木化学薬品株式会社では、「みんなの気づき・ひらめきで感動を与える佐々木化学薬品へ」をスローガンに社員一丸となってよりよい環境作り、会社作りができるように、日頃の小さな気づきを反映する取り組みが行われている。社内だけでなく社外からの意見も取り入れ、反映されたことや変更点は社員全員が見られる場所にわかりやすく写真と説明文付きで掲載されている。

イベント

様々なイベントがある中で、特に「会社の人との関わり」という観点から、今回4つのイベント紹介をする。
まず、年に1〜2回社内でマナー講習会が行われる。講習会では、敬語・お辞儀・名刺交換など、基本的なマナーについて実技も交えながら学ぶことができる。学生から社会人になる際にはマナー面での不安を払拭でき、また社会人として働いていても、もう一度基本に立ち返ることができる貴重な機会となっている。

次に、年に一度、本社や支店・営業所の社員が一堂に集まり、「成果発表会」という、一年間の目標に対する達成度報告と取り組んできたことの発表を行う場がある。自分自身の1年間の振り返りと共に、他部署の報告を聞き、新たな気づきにつながるなど、会社全体の士気が上がる場となっている。
そして、懇親会。新人歓迎会、成果発表会後の懇親会は若手とベテラン社員の交流、他部署の社員同士の交流があり、普段の仕事とは異なる表情を見ることができる楽しい場である。懇親会での催しでは、社内独自の賞、例えば「〇〇さん賞」といった、社員が選ぶ賞などがたくさんあるため、盛り上がる。
最後に、クラブ活動がある。野球、フットサル、テニス、ゴルフなど、やりたい人が集まって行う自主的な活動であり、規定にそって申請を行なえば親和会(社員によって構成された組織)からの費用補助がある。社員の家族も参加をすることができるため、家族ぐるみで良好な関係を築くために活用されている。

PAGE TOP