地域企業魅力発信
インタビューシップ

福井県の企業

2017/03/15

井上リボン工業株式会社 (平成28年取材)

井上リボン工業 株式会社 様

取材者 福井工業大学 岩永 知裕 福田 明香音

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会社名 井上リボン工業株式会社
業種 製造業
事業内容 衣料資材(インナー、アウター、スポーツ)、ラッピング用リボン、工業資材用テープ製造販売
所在地 〒915-0243 福井県越前市千原町2-6
資本金 4000万円
従業員数 145名
電話番号 0778-43-0810
URL  http://www.telala.com/

私たちの知らなかった様々な「ハイテクリボン」の実力を紹介します。

 ほとんどの人がリボンと聞いて思い浮かべるのは、プレゼントなどのラッピングに使うものだと思います。
井上リボン工業さんは、ラッピング用のリボンだけでなく、私たちが予想していなかった色々な場面で活躍していました。井上リボン工業さんは、その名の通りリボンを作る企業です。ですが、井上リボン工業さんの作るリボンは、私が思っていたリボンより奥深いものでした。リボンというと包装に使うものというのが私の考えだったのですが、アンダーウェアのゴムやランニングシューズの一部など幅広い用途にあわせて企画生産しているのです。
 また、そのほかにも、医療分野や車両、OA機器さらには、航空宇宙の一部分にまで、井上リボン工業さんの技術が使われているそうです。その技術が使われている商品の中には、アシックスのシューズなど、世間でよく知られている製品が数多くありました。このように井上リボン工業さんは表向きに目立つ企業ではありませんが、陰ながらに我々の生活を支えてくれる、縁の下の力持ちのような企業なのです。

 そんな井上リボン工業さんの特徴は、ユニークな商品を生む開発力です。既に特許取得済みの技術や、今現在特許取得中の技術もあり、とても心躍り思わず声を上げて、社長さんに笑われてしまいました。伸縮すると見え方の変わるアコーディオは、シャツに使われているそうです。

 また、現在(2016年12月2日時点)で特許取得中の、SYM Lightは同行した福田さんと共に感動の声をあげてしまいました。最初に見せてもらったときは、普通のウィンドブレーカー?に見えたのですが、社長さんが、背中に取り付けられたボタンを押した瞬間ウィンドブレーカーに、光る三つのラインが浮かび上がりました。さらに、このウィンドブレーカーのラインは光ファイバーで作られており、
光源を取り外し洗濯が可能だそうです。私は、運転が苦手なため、この製品が広く普及してくれれば、夜の運転が楽になるのではないかと思いました。その他にも、様々な井上リボン工業さんの製品が日常に潜んでいることが判りました。

私たちが感じた、井上リボン工業の外からは見えない魅力

 私たちがインタビューした中で、感じた井上リボン工業さんで働く魅力や、企業概要などの客観的な視点からでは分からない温かさを伝えたいと思います。
 井上リボン工業さんの魅力は、伝統的な織物を活用した製品や、会社の開発力だけではなく、職場全体の雰囲気がとても柔らかく、和気あいあいとしているところです。私から見ると社員同士が皆さんお友達のような雰囲気でした。

 そんな中、何人かの社員さんにインタビューさせていただいたところ、仕事でどんなに辛いことや、大変なことがあっても周りの方々がサポートしてくれるおかげで辛いと感じることは少ないというのが共通意見でした。例え、辛くても支えてくれる、誰かが辛いと感じていたら支えにいく。といった協力関係が大変魅力的だと思いました。きっと井上リボンさんの製品が魅力的に感じることや、圧倒的な開発力の秘密は社員同士の良好な人間関係から来ているのかもしれません。
 職場の雰囲気がこれほど良くみえるのは会社自体が新年会や忘年会をはじめ、社員同士が接する機会、イベントを多く設けている事が大きいと思います。
 
 一般の会社でも先程あげた新年会や忘年会に加え、飲み会など企画するところも多いでしょうが、井上リボン工業さんはそれだけではなく、運動会や山登り、更には社員の家族を見学と称して会社に歓迎するという企画もありました。職場にいるお母さんやお父さんも自分の子供にかっこいいところを見せることができたり、子連れの社員の方同士で子供の事を話し合えたり相談しあう事も出来るので素晴らしいイベントだと思います。また、運動会や山登りは普段運動する機会が少なくなっているであろうという方には絶好の機会なので健康面にも良く、運動は個人の力のみではなく人と協力しあって競う競技もあるので、これまで接したことのない社員さん同士が接することができるのでいいイベントだと思います。
 
 このように社員同士の仲が良好なのは会社側からのサポートの影響もあると思います。私は今まで社会人になり会社勤めをするようになった後の人間関係や、仕事でミスをした場合上司の反応や、周囲にかける迷惑など、とても大変なのだろうな、と妄想しておりましたが、この現場を実際に目の当たりにすると、このような温かい会社も世間にはあるのだ、と心から感動しました。井上リボン工業さんに限らず職場の雰囲気が温かい会社がもっと世に増えるといいな、と願います。

もっと世間に伝わってほしい 井上リボン工業の良さ

 井上リボンさん独自の企画である「リボンプロジェクト」。まだまだこれから伝わって行ってほしいその思いをつづりました。
今まで大企業の縁の下の力持ちとして活躍していた井上リボン工業さんですが、実は縁の下の力持ちとしてではなく、表舞台で活躍していこうという動きがあります。その名も「リボンプロジェクト」です。なんとリボンを活かして、リボンメインで商品を生産、デザインしていこう、という企画です。

 写真に写っているボウル状の入れ物の製品ですが、この製品はリボンプロジェクトで作られた品です。リボンで作った、
と言いますと耐久性に欠けているイメージを持たれるかもしれませんが、なんと驚くことに作りがしっかりし、並大抵の事では壊れることがないような丈夫さでした。色もシルクのリボンの性質がしっかりと働いているおかげで発色が美しく、玄関や棚の上といった所で芸術品として飾るのもいいと思います。

 ただ欠点があり人の手で丁寧に作っているため、大量生産ができず一日にたった三つしか生産できないため、高価格でしか販売できないというところでした。井上社長曰く、いずれ機械化できるよう検討しているとのことです。機械で生産できるようになれば、いずれ我々の手元にも手に入りやすくなる時が来るかもしれません。
 リボンプロジェクトは井上リボン工業さん内で企画されているものですが、このプロジェクトがもっと幅広く、デザインの募集や、リボンを使った作品のコンテストなど開けば会社の名前やプロジェクトの名前、リボンの良さ、可能性がもっと多くの方に伝わるのでは、と私は思っております。私はデザインの勉強をしている身なので、もし、企画されるのであれば是非参加したいです。

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