地域企業魅力発信
インタビューシップ

福井県の企業

2017/03/22

ジャパンポリマーク 株式会社 (平成28年取材)

ジャパンポリマーク 株式会社 様

取材者 福井工業大学 岩永 知裕・江崎 恵以

jyanpori03.jpg

 

私たちの日常に潜んでいた、 ジャパンポリマークの技術

 ジャパンポリマークは、ロンドンのポリマーク社から熱転写ラベルの技術移転を受けた会社だ。この熱転写ラベルは、ジャパンポリマークにより更なる発展を遂げている。 今回その、発展した技術の一部を紹介する。

 

会社名 ジャパンポリマーク株式会社
業種 製造業
事業内容 熱転写ラベル、熱転写機器の製造・販売
所在地 〒910-3607 福井県福井市清水杉谷町45-300
資本金 6,000万円
従業員数 110名
TEL 0776-98-2233
URL http://www.polymark.co.jp/

 私たちが今回伺ったのは、ジャパンポリマークだ。
ジャパンポリマークは、熱転写ラベルという商品を主に扱う企業だ。
熱転写ラベルとは、ユニフォームの背番号や自動車のサンバイザーに貼られている注意書きなどのことだ。この熱転写ラベルの利点は、印刷してから接着することができる点にあるそうだ。また接着しているため、肌に触れる面には、影響がなく違和感がないことも利点の一つだ。

 そんな熱転写ラベルだが、ジャパンポリマークが、営業を始めたころは、品質が低かったそうだ。
だが、ジャパンポリマークはイギリス ロンドンのポリマーク社より技術移転を受け、さらにジャパンポリマーク独自の改良を続けた。そのおかげで、現在では、水着などの接着しにくく、剥がれやすい製品にも貼り付けられ、かつ、はがれにくい熱転写ラベルになったそうだ。

 現在は、技術移転を受けた英国ポリマークに教えられるまで、技術を高めることができた。
そんなジャパンポリマークだが、製造だけを行っているのではなく、熱転写ラベルを転写する機械の販売や、転写方法の指導など、自社の製品に最初から最後まで携わっているそうだ。
 そのため、責任の範囲も広いのだが、代表取締役社長の久保さんは、「逃げないのが信条」と語っていた。
 
 このインタビューシップ中に気になったことがひとつある。
それは、久保さんのスマートフォン背面に、私の好きな漫画のキャラクターが貼ってあったことだ。思い切ってそれが何かを聞いてみると、このキャラクターのラベルを自社で製造したのだそうだ。このラベルは単なる飾りではなく外して画面クリーナーとして使うこともできる優れものだという。そのほかにも、これまで培ってきた技術を使ったユニークな製品を数多く製造されていた。

業界に革命を起こした ジャパンポリマークの魅力とは?

 ジャパンポリマークの魅力は目に見えて進化していく躍進の仕方と、自社商品に対しての絶対的自信及び、自社の商品は最後まで面倒を見る、という会社の意識の高さである。
 その意識の高さはそのままジャパンポリマーク社の誇りにもなっている。

 魅力、と聞かれたときに私達はなんと答えるだろう。きっとそれは人それぞれ違う。世の中にはあふれるほどたくさんの魅力があり、私たちはひときわ惹かれるものへと向かっていく。その惹かれるものであるようにと私は一つの魅力を紹介していきたい。
 
 ここではジャパンポリマークでのインタビューシップを通じて感じたこの会社の面白さ、魅力、そしてもう一つ、私が感じたこの会社の誇りについて書いていきたい。
真っ先に挙げるべきジャパンポリマークで働く魅力というのは、技術を完成させるため進化していく、未来を創っていると実感できる点ではないだろうか。ジャパンポリマークが創立され約30年、その間にも熱転写の技術は進化してきた。特に先述にもあったように、水着をはじめとした「伸縮自在の生地への転写」と「撥水性の生地への転写」はジャパンポリマークが起こした熱転写業界の革命だが、それをもってしても「何にでも貼れるわけではない」と代表取締役社長の久保 浩章さんは語っていた。


“ずーっとうちの商品は完成されていない。この未完成さが自分をさらに挑戦させる熱量になる。”

 
 仕事はこなすもの。そう思う人は多いし、それも大切である。しかし何かを達成する目標があるから私たちは辛い時にも踏ん張れるのだ。熱転写という技術は完成が見えない。それは不安でもあるが同時に挑んでいく世界がそれだけ広いということでもある。「よくして自分の感性に近づいていく感覚は、やはり仕事をやっていく上でのモチベーション、仕事をしてきてよかった、これらもずっとやっていきたい。そう思える熱量になる。」芯の通った声で久保さんはそう語った。

 もう一つ。ジャパンポリマーク社の魅力はこの社が保有する仕事に対する誇りだ。先述の通り、ジャパンポリマークは製造からアフターケアまですべて自社で請け負っている。熱転写の製造はもちろんだがその機械の製造、メンテナンスも自社で行う。その機械を海外に輸出した時は不具合が生じれば社員が出向くのだ。通常、機械製造などは外部に委託をするし、海外の機械のメンテナンスまでは請け負わない。しかしジャパンポリマークはそれをやってのけている。熱転写に関わるモノのほぼすべてを把握しているため、すべての苦情を受け付けているのだ。そしていずれは「苦情ゼロを目指す」という。その話を聞いていて感じた『自社の製品は最後まで面倒を見る』という熱意。それはほかの会社に見られないものであるのと同時に、この社の誇りであるのだと感じた。

インタビューから記事を書くまで

 今回のインタビューシップで、大学では体験出来ないようなことをたくさんする機会に恵まれた。
相手から熱心に話された内容をどうやって規定文字数に収めるかなど原稿を作る過程はとても大変だったが楽しさも感じた。

 今回インタビューシップに参加させていただいて、仕事の具体的な内容から企業ならではの苦労、やりがい、志など大学内ではなかなか味わえない貴重な体験をさせていただきました。
 
 企業に訪問し、様々なものを見聞きし、働く皆様にインタビューをして記事を書く、という形式は私個人にとって初めてで、どうやったら相手の良いところを聞けるのだろう。この会社のいいところ、伝えたいことはどういう言葉にするとよりよくなるのだろう。そういったことを必死に考えるいい機会になりました。3時間という長い時間をいただいて、代表取締役社長の久保さんと、社員の皆様に会社の魅力から働くことそのものの魅力を熱く語っていただきました。その内容を取りこぼさないように文字に起こしていく過程も新鮮でした。中身と文字数をすりあわせ、割愛し、入らない内容にもどかしくなったり。相手が全力で語ってくれた話なのだからこちらも全力で伝えなければ、と私も必死で書きました。この時に取材の面白さというものも実感したように思います。

 これから社会人になり、誰かに話を聞くという機会は多々出てくると思います。その時に私は今回の経験で得た、人の話を聞くことの楽しさも忘れずに進路選択をしていきたいと思います。

PAGE TOP