地域企業魅力発信
インタビューシップ

福井県の企業

2017/03/23

株式会社フクイカメラサービス (平成28年取材)

株式会社 フクイカメラサービス 様

取材者  福井工業大学  谷口 諒斗

カメラ修理とは一見地味に思う仕事かもしれません。しかし、
フクイカメラサービスのカメラ修理は 地味どころかとても明るく、
たくさんの笑顔が見られる職場です。

 

 

会社名 株式会社フクイカメラサービス
業種 サービス業
事業内容 各種カメラ修理
所在地 〒918-8016 福井県福井市江端町6-8
資本金 1,000万円
従業員数 35名
TEL 0776-33-1611
URL http://www.camera-repair.jp/

カメラ修理だけがフクイカメラサービスの事業ではありません。

 株式会社フクイカメラサービスは、創業が昭和39年、設立が昭和60年で高山 陽一代表取締役をはじめ35名の従業員が働いています。「日本のカメラ修理を変える 」をモットーにこの会社が設立されました。
フクイカメラサービスでは主に二つの事業を行っています。
 一つ目は、メイン事業であるカメラ修理です。フクイカメラサービスは50年以上続く古き良き企業です。昔は、フィルムカメラが主流でしたが今の社長がデジタルカメラ主流になるのではないのかと予想したことから始まりました。初めは、大手家電量販店と契約し企業対企業の事業を行っていたそうです。社長の信念から企業対企業の事業を成功させるまではホームページも作成せず個人の修理を受けなかったそうです。企業対企業の事業としては、一眼レフやデジカメの修理だけでなく中古カメラの点検や女子高生に人気のアミューズメント機器の修理も行なっています。現在では、企業対企業の事業だけではなく個人のお客様のカメラ修理も行っています。

 二つ目はIT事業です。皆さんは「ハイシューカ!」というシステムはご存知でしょうか。「ハイシューカ!」とは、輸送業者との連携で自宅の玄関先まで荷物を取りに行き出荷するシステムです。このシステムの導入により、より一層の修理を容易に受けることができるようになったそうです。このシステムの導入の理由は福井で事業を行っているため当時はなかなか修理の依頼が来なかったためその問題を改善することから考えられました。導入以前は、フクイカメラサービスに直接カメラを送って来るお客様は少なく事業も思うように進まなかったと言います。しかし、「ハイシューカ!」の導入で多くの修理依頼を受けるようになったそうです。このようなシステムを導入するためにはかなりの資金が必要です。そのため、資金力のある大企業のみがこのような事業を行っていました。しかし、この「ハイシュ―カ!」というシステムは大企業だけでなく中小企業の翌日出荷を可能にしました。
以上のような、事業を行っています。

社内でバンドグループを結成!?

 働く面白さは、自分の仕事を認めてもらえたり評価してもらったりすることだと思います。しかし、フクイカメラサービスならではのユニークな職場環境から、働く面白さや、魅力がいっぱい詰まっていました。

  株式会社フクイカメラサービスにはたくさんの魅力が詰まっています。その魅力とは一言でいうと「愛」です。社長自身も見えない愛があるとおっしゃっていました。その証拠に年に数回、社長と社員とが時間無制限で話をする機会を設けているようです。実際に、社長が社員一人ひとりと話すという企業は少ないと思います。その話の内容は、仕事のことであったり家庭のことであったり、様々であるとおっしゃっていました。一人ひとりと話すことでそれぞれの思いが直接社長に伝わり、事業の改善や職場環境の改善にも繋がると話していました。
実際に、飯田さんと酒井さんにお話をお聞きしました。飯田さんは技術部でカメラの修理をしています。飯田さんにとって働く面白さは実績を評価してもらったり認めてもらったりすることだとおっしゃっていました。しかし、自分のイメージと上司とのイメージの違いからなかなか認めてもらえないことも多いそうです。誰もが納得できるものを最後まで作る。それが、責任のあると仕事だとおっしゃっていました。実際に、上司と言い合いになったり牙を向けたりすることは多々あったそうですが、そのような中でも上司と一緒に考えられる。そのような雰囲気の中でも仕事をしているため、憧れを抱きつつ上司の愛を感じると話していました。次に、サービスサポート部で事務をしていらっしゃる酒井さんにお話を伺いました。酒井さんは女性としてとても働きやすい職場であるとてもおっしゃっていました。極端に言えば、学校に通っているのと同じような感覚であり一生青春をしているようだとおっしゃっていました。コールセンターではたくさんのお客様の対応をしなければいけないため時には辛く、泣いてしまったこともあったそうです。しかし、そのような辛いことがあるにもかかわらず会社に来るのが楽しいそうです。楽しいからこそ仕事を続けることができ日々のクレーム対応にもめげずに取り組める。同じ業務の人と雑談をする中でお互いを分かち合うことで、お互いを励まし合い助け合っているとおっしゃっていました。
 

「働く」というイメージが変わった

 みなさんは何の為に働いていますか。見学を通してフクイカメラサービスで新しい答えを見つけました。

 普通、社長とは近くて遠い存在であると思います。しかし、フクイカメラサービスの社長は遠い存在どころか社長と社員の垣根を自ら超えて来ると話していました。先述の通り一人ひとりの相談に親身にのったり、休日にバーベキューを行ったり、その残った肉で次の日の昼休憩時にもう一度バーベキューをしたりととてもユニークです。極め付きは、社内にビリヤード場や卓球場、ベースや電子ドラムなどがあります。過去には福井市内のステージを貸し切って社内でバンドグループを結成しライブをしたこともあるそうです。
 毎日の仕事に面白さを感じることができる。心地よい環境の中で仕事ができる。社長をはじめ社員の皆さんに「愛」があるからこそどこの会社にも負けないフクイカメラサービスだけのキラキラ輝く魅力があるのだと感じました。

 社長の「日本のカメラ修理を変える」をモットーに始まったフクイカメラサービスでは、たくさんの「愛」が詰まっていました。このインタビューシップを通して、私が特に驚いたのは、私が部屋に入った瞬間社員の全員が立って私の方に向いて挨拶をしてくれたことです。私はあまりの迫力に圧倒されてしまいました。その時は、とても真面目な方が多いという印象を受けました。しかし、一人ひとりにインタビューをさせていただくと誰一人と嫌な顔をせずに、笑顔で私の質問に答えてくれました。緊張をしていましたが緊張もほぐれリラックスして質問をすることができました。一般的な会社では社長を交えて社内のメンバーでバンドグループを結成することはあるでしょうか。日本中探してもこの会社だけだと思います。そんな、社長、社員関係なく仕事やイベントをしている会社が修理するカメラ。修理されるカメラには、その人その人のたくさんの思い出が詰まっています。一つ一つの作業を丁寧に行い、また持ち主の元へ戻り新たな思い出が生まれます。「愛」がいっぱい詰まっている会社で修理されたたった一つのカメラは、たくさんの愛と幸せで胸いっぱいにさせてくれます。今の時代、何の為に働いているのかという質問の答えは、やりがいや生きがい、給料のためという答えは正しくありません。正しい答えは、毎日をたくさんの人の笑顔と愛でいっぱいにするためだと思います。

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