地域企業魅力発信
インタビューシップ2016
大阪府の企業
株式会社菱屋 (平成28年取材)
株式会社 菱屋 様
取材者 ・大阪情報専門学校・北海道情報大学 システム情報学科 通信教育部 白須 莉那
株式会社菱屋様は、創業50年を迎え、段ボール・パッケージ類の各種抜型や刃型、木型を製造する会社です。身近にある化粧品やお菓子の箱はもしかしたら菱屋さんが製作した抜型で作られたものかもしれません。CADシステムを使って設計し、抜型製作用の自動装置を使用して顧客のニーズに合った抜型を製作しています。
会社名 株式会社菱屋
本社所在地 〒581-0038 大阪府八尾市若林町2-111
資本金 5,000万円
従業員数 20 人
業 種 各種打ち抜き用刃型の製造・販売、保有設備を用いた各種サービス業
U R L http://www.hishiya-corp.jp/
株式会社菱屋と株式会社レザックの関係 〜天皇陛下も認めた装置〜
はじまりは、「菱屋木型製作所」。抜型の製造業で成功を収め、従業員は最大で40人ほどいた。手作業で製造を行っていたが改善を考え抜型製造業の自動化で成功を収める。
今回私がインタビューをした、株式会社菱屋。元々は町工場でした。1人で起業し10年近くは手作業で作業していました。従業員も40人ほどに増え抜型製造業で成功を収めたのでした。しかし、自社の製造の工程を見直そうと製造工程の改善を決意。CADの開発とレーザーシステムの導入を行いました。続いてCADシステム、精密製図機の開発を行いました。これらの菱屋の自動化は大成功でした。そこで自社の使う機械を製造するため、今回のインタビューシップで他のグループが紹介している、株式会社レザックを立ち上げました。
この会社はレーザー加工機や各種生産用自動機の開発、製造、販売、保守を行っています。レザックは、最初は菱屋のみに機械を提供していましたが、これらのシステムは同業界でも受け入れられると考え、他社の抜型メーカーにも機械を販売するようになりました。2005年には、唯一手作業でしていた、紙箱の量産工程を自動化した装置という点から、天皇皇后両陛下が工場視察にいらっしゃいました。このことから注目されるようになり、現在、レザックの開発した自動機は約20種類に及び、抜型製造装置の製造販売で国内トップシェアを誇っています。また、写真のように多数の特許を取得しています。
レザックの機械があったからこそ、現在も菱屋は、抜型製造会社として高品質を保ち支持されています。
実際に抜型はどのように製作されていくのかをご紹介します
抜型の製造工程として、まずCADシステムを使い図面を書き抜型用データを作成します。様々な抜型情報を付加し、サーバーに保存します。続いて加工する素材に合わせ、CADシステムが指令を出し、レーザー加工機を使用し合板への溝加工、自動切断・曲げ機を使用し、刃材・罫材の加工、ウォータージェット加工機によるスポンジゴムの切断を行います。ここまではすべて機械が行っていますが、続いての工程の植刃加工は、画像のように職人の手作業によりひとつずつ丁寧に行い、木づちで打ち付け抜型を完成させていきます。完成したら完成検査後、打ち抜きサンプルの作成を行います。作業工程についてもっと見てみたい方は、ホームページに8分ほどの動画が掲載されています。
さて、菱屋が現在、おもに取り扱っているのは、紙器(お菓子の箱や化粧品の箱など)・段ボール箱・クリアパッケージ、真空成型品(食品トレー)、自動車内部品(フロアマット)、電子部品の高性能フィルムの抜型です。これだけ私達の生活に欠かせない製品の抜型を製作していますが、とある悩みがあります。それは技術者の育成です。なかなか若い人が入社しづらいという悩みを抱えてらっしゃいました。「自分は、ものづくりの経験がないから」とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、心配ありません。現在入社されている方も未経験だった方も多いです。基本的に機械の操作をしますが1か月ほどで覚えられるそうです。
日本の箱の技術は本当に素晴らしいです。印刷のずれがなく、箱のまま保管していてもほこりが入らない丈夫なつくり。それを実現するためには正確な抜型が必要です。「自分の作った抜型の商品が販売されているとうれしい」と今回取材した、清水様はそうおっしゃいました。そんな日本の技術を支える、ここ菱屋で働いてみませんか?