地域企業魅力発信
インタビューシップ2016

大阪府の企業

2017/01/18

株式会社DG TAKANO (平成28年取材)

株式会社 DG TAKANO 様

取材者 大阪経済大学 経営学部 福井 悠司

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株式会社DG TAKANO 大阪工場

 株式会社DG TAKANO様は、東大阪市を拠点とし、水洗に関する製品の開発、製造及び販売、事業展開している会社です。表彰暦は、「関西ものづくり新撰2016」選定(経済産業省 近畿経済産業局主催)「Japan Venture Awards2016」中小機構理事長賞受賞(独立行政法人中小企業基盤整備機構主催)。高野社長が発明した、最大節水率95%の超節水ノズル「Bubble90」は、”超”モノづくり部品大賞で大賞を受賞。世界各地で水不足が深刻化する中、節水市場という新しいマーケットに着目してうみだされたBubble90を求める声は、世界中から届いています。今年からDG TAKANOは大阪大学との連携や、海外進出をはじめ、さまざまな事業を展開。日本だけでなく、世界から注目されている会社です。

会社名 株式会社DG TAKANO
本社所在地 〒110-0015 東京都台東区東上野2-21-3 成宝ビル7F
資本金 1,000万円 
従業員数 20 人
業 種 水洗に関する製品の開発、製造及び開発
U R L http://www.dgtakano.co.jp/

世の中に存在しなかった節水製品

 株式会社DG TAKANOの高野社長は、最大節水率95%を誇る節水ノズルを7年前に開発した。この製品はいったいどのようにしてつくられたのか。実際に工場に行くと、まるで「中小企業」を訪問しているとは思えないほどの、巨大な機械が所狭しと並んでいた。その巨大な機械がBubble90を製造しているのだ。Bubble90製造には1/1000mmの誤差を問うほどの精密さを求められる。

小さな町工場では通常目にしないような最先端の機械と技術力

 この精密な加工を実現するのが、一台5,000万円という値が張る機械に支えられる、極めて高度な技術力だ。この工場に、最先端の巨大な機械が6台も並んでいるのを見て、DG TAKANOが、わたしたちのイメージする「町工場」とは一線を画すと納得できる。それにしても、圧倒されるばかりで、驚きを隠せない。

新しい商品を開発するための努力

 この会社の勢いはとどまることを知らず、日本を飛び出して、アメリカに進出する計画が進行中だ。アメリカ進出の目的は、マーケットの拡大と技術力の向上。進出先であるシリコンバレーには、ベンチャー企業が多く集まり、近くにはスタンフォード大学がある。「シリコンバレーには会社のこれからの成長に欠かせない要素がつまっている」と高野社長は語る。DG TAKANOは今年、海外進出だけでなく、大阪大学との連携もスタート。今は、高野社長が新製品についての考えを巡らし、ご自身で開発に取り組まれているが、今後は優秀な学生を巻き込んで開発チームを結成するそうだ。設立してまだ6年ほどしかたたないベンチャー企業が、このような最先端の技術力を持っていると、私は考えもしなかった。こうして企業を直接訪問することによって、今の日本はどのようなものづくりを抱え、どのような企業が成長しているのかがよく分かった。

海外進出の重要性

 DG TAKANOが進出するのは、アメリカだけではない。いま世界各国で水不足が叫ばれているが、特に中東では水不足が深刻である。中でも、DG TAKANOはドバイへの進出を目指す。大きな理由としては、他の中東諸国と比較するとドバイにおける中流階級の家庭生活水準は高く、裕福なターゲット層が存在するからである。素早くターゲットを見つけ、進出計画を立てるのが、この企業の成長を加速する理由だと私は考えた。

企業の在り方、海外と日本の違い

 DG TAKANOは今年から新卒採用を開始、海外の留学生を採用している。「外国人の方が、日本人よりも仕事に対する姿勢が積極的だ」と高野社長は話す。日本人は就活時に大企業入社を目指すことがほとんどだが、外国では大企業への入社ではなく、自分で会社を設立することも多いそうだ。「大企業に行くことが良い」という固定観念にとらわれず、日本人はもっと自分をアピールし、積極性を身につけ、例えば海外で自分を試したり、世界観を広げていくべきなのかもしれない。「これから少数精鋭のDG TAKANOをめざしたい」と語る高野社長。それは大企業就職や、会社の規模が大きいことを是とする考え方を覆す。取材を通して初めて知る企業の在り方は、自分の将来についての考え方が大きく変わるような新しい発見だった。