地域企業魅力発信
インタビューシップ2016
大阪府の企業
富士電子工業株式会社 (平成28年取材)
富士電子工業 株式会社 様
取材者 大阪経済大学 経営学部 畑中智貴、松清苑水
富士電子工業株式会社様は、高周波誘導加熱装置による、金属の焼入加工を行っている企業です。また、高周波誘導加熱装置の開発・製造と同装置における受託加工を手掛けています。高周波誘導加熱装置とは、電気を利用して焼入加工をしているためCO²を排出せず、地球環境にやさしい熱処理をしている会社です。
会社名 富士電子工業株式会社
本社所在地 〒581-0092 大阪府八尾市老原6-71
資本金 8,000 万円
従業員数 123 人
業 種 高周波誘導加熱装置等の製造・加工業
U R L http://www.fujidenshi.co.jp
高周波誘導加熱(IH)の製造業界以外での 新規事業での可能性
現在、富士電子工業株式会社では高周波誘導加熱(IH)を利用して世界の自動車、工作機械、建設機械等の幅広い製造業界をサポートしています。車などのエンジン構成部品である「クランクシャフト」の焼入設備に関しては日本で80%のシェアを誇っています。
そのような会社である富士電子工業株式会社は今後、化学メーカー、食品メーカーなどの新しい分野への進出も考えているそうです。金属関連というイメージがあって、化学や食品とはかけ離れているイメージがありますが、それを可能としたのが高周波誘導加熱装置です。
この高周波誘導加熱装置は金属であればどんなものでも加工することができます。例えば、プラスチックの間に挟まれた金属をプラスチックに熱を通すことなく、金属だけに熱を通して加工することができます。他の会社が行っている焼入加工はオーブン方式により、多くの部品を一度に加工しているのに対し、高周波誘導加熱装置では1つの部品だけを焼入加工することで熱を集中することができ、効率が良いため金属のみに熱を加えて加工することが可能となっております。
このような技術により化学メーカーや食品メーカーに必要な細かな部品を製造することができるため、新事業が可能になったそうです。
したがって金属部品を扱っていればどのような事業にも参入することができ、今まで付き合いのなかった企業と取引を交わす機会が増えると考えられます。
従業員がフレキシブルに働きやすい職場環境と福利厚生
富士電子工業株式会社では従業員が働きやすいように様々な福利厚生があります。その中でも4つの制度を紹介します。
1つ目は子供手当の充実です。子供が学業の過程を終えるまで手当が支給されます。これは義務教育まででなく、高校、あるいは、大学、専門学校に通う場合でも手当が支給されます。そして、この制度は子供が何人生まれても適応されます。
2つ目は育児、介護休業法よりさらに踏み込んだ充実した制度です。例えば、仕事中、子供を託児所などに預けていて、子供が体調を崩した際に有休を使わずに会社から帰宅することができます。定められている業務より短い時間しか働かなくても、有休を消費する必要がありません。しかし、給料はその分少なくなります。
3つ目は資格報奨金制度です。これは従業員が資格を取得すればそれに見合った報奨金がもらえる制度です。焼き入れ加工の際に必要な資格や、設計に必要な資格もちろんのこと、英語検定や漢字検定などの資格もその対象になっています。
最後は倫理委員会の存在です。倫理委員会とは、会社の中でのハラスメントや従業員や上司との間での問題を把握し、解決することが目的です。問題を把握するには、周りの従業員から見てどのような問題があったかを聞くことで把握し、解決するそうです。