地域企業魅力発信
インタビューシップ2016

兵庫県の企業

2016/12/01

音羽電機工業株式会社 (平成28年取材)

音羽電機工業 株式会社 様

取材者 コミュニカ学院 利倉 治一

雷テクノロジーセンター外観

雷テクノロジセンター外観

 今回伺ったのは、兵庫県尼崎市を拠点とし、雷対策のトップメーカーとして免雷システムを提供している音羽電機工業株式会社です。

 1946年に創業して今年でちょうど70年。避雷器の製造をはじめ、様々な雷対策事業を展開しています。

 主な事業は、「各種避雷器の製造・販売と雷コンサルティング」であり、避雷器の中に使う素子の開発から避雷装置の施工、定期メンテナスまでを含む全般の管理です。

 たとえば、雷が落ちても、新幹線を普段のように走行できたり、住宅の内部が損害を被らないようにという対策に力を注いでいます。

 製造される各種避雷器は信号機や新幹線、病院など様々な場所で活用されており、国内トップシェアを誇ります。また、世界最大級の雷実験施設「雷テクノロジセンター」を保有し、雷対策製品の開発や信頼性評価試験を実施しています。

 今回のインタビューでは、総務センターの中西隆夫次長に会社の特徴を伺いました。

電車用避雷器(新幹線にも採用)

中西隆夫次長に聞く!音羽電機工業株式会社の魅力

音羽電機工業の取り組みについて

 利倉さん:人事の面で次世代に向けた社内の取組みに力を入れているとお聞きしましたが?

 中西次長:階層別育成プログラムを設けており、特に次世代幹部の育成に注力しています。事業創造のセンスを養うための研修で、各年度内で概ね8か月程度の開講期間の間に、与えられるテーマへの取組みを通して幹部という自覚を高め互いに切磋琢磨してくれています。

社是に込められた想い

 利倉さん:社是は「キラリと光れ」とありますが、どんな想いが込められているのですか?

 中西次長:社員自身が人として光れ(輝け)、技術を磨けという意味のほかに、別の意味もあります。つまり上司と部下との関係や、家庭内でも光れという意味をも含んでおります。この場合の「光る」には社員同士や家族が互いに笑顔で幸せな関係を築いて欲しい、という想いが込められています。

求めている人物像は?

 中西次長:自ら課題を設定しチャレンジできる人ですね。将来、この分野ではだれにも負けないと言えるような人になって欲しいです。また、同時に弊社は家族的な企業なので周囲との協調性を重んじることを理解している方がいいですね。

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展示サンプルを説明する総務センター中西隆夫次長(左) 取材した利倉さん(右) (雷ミュージアム)

企業名 音羽電機工業株式会社
住所 兵庫県尼崎市名神町3−7−18
連絡先(電話・HPアドレス) 06-6429-3541 
事業内容 各種避雷器の開発、製造、販売並びに耐雷コンサルティング
代表者 取締役社長  吉田 修
創業・設立 1946年5月11日
資本金 8,190万円
売上高(直近3年分) 2015年度 74.3億 2014年度 73.5億円 2013年度 69.6億円
従業員数 279名
平均年齢 42.3才
離職率または離職者数(直近3年分) 2015年度 0 2014年度 0 2013年度 0
採用実績(直近3年分)・・定期採用 2015年度 9 2014年度 10 2013年度 0
初任給(実績)職務手当含む 2015年度 院卒総合職 224,000円 /大卒総合職 210,200 円
任意項目(例)
賞与 年3回(夏・冬・期末)
福利厚生 各種社会保険完備、借上げ寮制度、保養所、家族・児童手当等あり
休日休暇
完全週休2日制(土日)、祝日、年末年始休暇、夏季休日
年次有給休暇(初年度付与10日〜)
  特別有給休暇(勤続年数の節目等に配慮される)
勤務時間 8:45〜17:30(休憩45分)
モデル年収 非公開
年間休日数 125日
有給休暇取得率 非公開
月平均残業時間 10H/月程度(事務職平均)
平均勤続年数 社員:13.6年
障害者雇用率 非公開
従業員男女比率 8:2(概略)
その他(企業の特色や理念、採用に関する事など)
ファミリーとしての一体感 社長が毎月初、必ず主要拠点で直接自らの思いを伝えています
MRJ開発への参画 国産ジェット機の避雷対策について高い技術と最新の試験設備で貢献

【事業概要】
雷対策の免雷システムを提供。製造される各種避雷器は信号機や新幹線、病院など様々な場所で活用されており、国内トップシェアを誇る。また、世界最大級の雷実験施設「雷テクノロジセンター」を保有し、雷対策製品の開発や信頼性評価試験を実施している。

【中西次長に聞く】『雷の被害から社会を守る取り組み』

ー『創業以来一貫して雷対策の事業に特化されているとのことですが』
「雷の被害から社会を守る」を使命として、雷対策をシステムと考え、設計から施工、メンテナンスまで用途に合わせた様々な雷対策を行っています。電気機器や通信ネットワークなどを雷サージから保護する低圧用避雷器、新幹線などのインフラを保護する高圧用避雷器、家庭用には電源線やアース線からの侵入を防ぐ分電盤用避雷器などです。技術力や製品品質は高く評価されており、電気保安において最も権威のある渋澤賞を何度も受賞しています。2014年にはグローバルニッチトップ企業100選において経済産業省から「ネクストグローバルニッチ」に選ばれました。高い技術力や品質を支えるものに、弊社の試験機関があります。雷テクノロジセンターには、独自開発した雷の電流を模擬した「大電流試験設備」を始めとした最先端の試験設備があり、沖縄の北大東島には厳しい環境の元で耐久性の確認ができるように独自の試験場を設けています。これらによって雷や劣悪な環境を再現し、それに耐えられる高い品質の維持向上が可能になっています。

【中西次長に聞く】『雷を極めろ』という言葉に込められた想い

「儲けを極めろ」という欧米系のビジネスマネージメント哲学にひきかえ、音羽電機工業株式会社では、年商のみを優先せず「雷を極めろ」ということを哲学としています。
 取材を行った雷テクノロジセンターはアメリカの航空安全基準に適合した試験場であり、今、話題のMRJ(国産の小型旅客機)の耐雷試験を一貫して行っています。また、屋外イベントでの落雷の直撃を避けるために、地上への落雷を正確に予測できる機器(雷レーダー)を開発したことは、異常気象に素早く対応しようとした結果の表れでしょう。

【中西次長に聞く】『雷と共生する』という想い

「雷と共生する」を市民の生活に浸透させるため、音羽電機工業株式会社は雷写真コンテストを13年間に亘り毎年開催しています。一瞬の雷を写真に捕らえるのを賞賛しつつ、入賞作品は雷ミュージアムに各地から集めた雷に関する展示品や最新の雷対策製品とともに多くのお客様にご覧頂いております。

【取材を終えた利倉さんから一言】

今回の訪問では、日本の雷対策事業の奥深さを知ることができました。

最後に、就職活動をしているみなさんに中西次長のお言葉をお伝えします。

「チャレンジしたいことをしっかりと見つけ、存分にチャレンジしてください。」