地域企業魅力発信
インタビューシップ2016
奈良県の企業
株式会社昭和 (平成28年取材)
株式会社 昭和 様
取材者 関西大学 3年 廣橋賢一
金属マジシャン現る――国内外、特許取得数80以上。ここまで金属を使いこなせるものなのだろうか…
チタンやステンレスを用いた製品を提供している。製品は主に化工機、電極、熱交換器、バスケットを製造している。化工機は、腐食が強い化学物質を封入しておくタンクのことである。電極は様々な用途があるが、トイレの抗菌スプレーにも使用されており、ユニークなCMで有名な某大手トイレメーカーにも提供している。熱交換器は、気体、液体の温度を調節するものである。バスケットとは電気メッキ用のケースである。
企業の魅力をプレゼンしました!
取材を通じて感じたこと
5日間の取材期間はあっという間に終わり、お忙しい中、親切にして下さった昭和の方々には本当に感謝しかない。今回のインターンシップで会社経営の基本的な流れを知る事ができた。また、将来、優れたエンジニアになるためには科学技術の発展の歴史を学び、今、何が必要なのかを考える事が重要であり、さらに他人が思いつかないような画期的な発想は天から降りてくる事はなく、日常の固定観念を捨て、常に普通じゃない事を考え、常に工夫する事が大切だと教えて頂いた。社員さんは働く事にやりがいを感じ、昭和という会社が好きな方が多いような印象を受けた。この5日間で私は十分すぎる程の昭和の魅力を感じる事ができた。
INFORMATION
会社名 株式会社 昭和(製造業)
所在地 〒630-0142 奈良県生駒市北田原町2443-6
TEL 0743-72-0743
URL http://www.showa-titan.com
設立年 昭和42年
資本金 9,185万円
従業員数 50人
社員さんが語る会社の魅力
“ものづくり好きが自然と集まる会社”
世間では、ロボットにより製品の大量生産を行う企業も多い。しかし、昭和は全て職人の手作業により加工を行い、生産している。そこで、木下工場長に手作業で加工をする魅力について教えていただいた。すると、「本人の経験の積み方次第で加工技術がどこまでも伸びるところやね。」と言っていた。また、向上心がある人、ものづくりが好きな人は年齢に関係なく自主的に経験を積み上げていくため、加工技術はどんどん上がって行き、ロボットの加工技術を凌ぐほどになるそうだ。そして、昭和の職人はみんなものづくりが好きであるため、加工に妥協はしない。それは昭和製品を見ると容易に感じることができる。
写真は 製造部 次長/本社工場長 木下 慎史 さん
会社のおもしろ自慢
“見つけてしまった。昭和のゴッホ!!”
不良品を1,000個に5個以内に抑えるという厳しい基準をクリアするように品質の管理を行っている品質管理部の大野さんが、ふと数枚の絵を見せてくれた。そこには、漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウが今にも”北斗百烈拳”をしそうな勢いで描かれていた。ちなみに、このケンシロウの下書きは3時間ほどでできるらしい。他には「ワンピース」「セーラームーン」「進撃の巨人」「ジョジョの奇妙な冒険」など、誰もが一度は聞いたことのあるような漫画のキャラクターをかなり描いていた。絵は三年ほど前から描いていて、昼休みの合間などに鉛筆で下書きをして、休日にペンで色づけをしているそうだ。
チタンとは何ぞや?
“金属界の優等生とは僕のことです。”
軽くて、強くて、ほぼさびない。そして、人に優しい金属。これがチタンである。また、チタンはレアメタルとも言われているが、驚くことに地殻中に存在する元素としては9番目に多く、資源的には無尽蔵なのだ。ただ、チタン鉱石から金属チタンを製造するのが困難なためレアアースとされている。
新工法開発
“年に三千件以上の道路が陥没しています。”
下水道の腐食による道路陥没が年に三千件以上発生している。これは人手不足のため全長約46万kmの下水道管を十分に点検が行えない背景がある。そこで耐食性があるステンレスを施工し下水道の強度や耐久性を増加させる「パネルライニング構造」を大成建設と共同開発した。これにより点検頻度を抑える事ができる。
女性もいます!!
“女性社員が語る。昭和とは??”
金属加工の企業と聞くと、やはり男社会のイメージが強くなってしまいがちだが、女性社員も何人か働いていた。そこで会社の雰囲気について聞いてみた。すると、部署によって多少変わるが、共通する部分はみんな親切で優しく、元気がある所と言っていた。これは、私自身も取材期間につくづくと感じた所でもある。