社長の人材活用日記

    
  

地域の中小企業における人材の採用や活用事例について、成功や苦労の裏話なども交えながら、社長の活動内容を日記スタイルで御紹介します。

  

滋賀県の企業

2017/03/27

キステム株式会社

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当社の人材活用における課題

 

【社員の技術力、定着率の向上と情報系資格の取得促進について】

 ソフトウェア業界では昔から「エンジニアに資格はいらない」や「資格を持っている人が仕事ができるとは限らない」という意見が多数あり、資格取得よりも現場での実務対応能力を重視する傾向がありました。各プロジェクトに投入するエンジニアの単価設定においても大体の相場はあるものの、各ソフトウェア会社が独自で実務年数を基本とした社内評価によりエンジニアのレベルを評価し単価を設定することが大半でした。
 しかし、平成14年12月に経済産業省がIT関連サービスの提供に必要な実務能力を明確化・体系化した指標として「ITスキル標準(ITSS)」を策定・公表し、高度IT人材に求められる能力の「見える化」が図られました。
それ以降、エンジニアのスキル評価についてはITSSや国家資格、公的資格、民間資格(IT系資格の場合は、企業が自社製品に対して技術者のスキルを認定するベンダー資格などが民間資格にあたります。)により行い、各ソフトウェア会社の力量評価については資格保持者の在籍者数により評価することが主流となりました。
官公庁などの入札条件においても「リーダーが○○の資格保持者であること」と明記されていることがあり、資格保持者の条件を満たさなければそもそも入札にすら参加できないケースが実際に存在しています。
 また、弊社はISO9001を認証取得しており、「お客様に満足頂ける商品を提供できる企業体質を醸成しよう。」を基本指針として企業活動を行っております。どんな企業であってもお客様との接点は商品です。お客様にとって価値ある商品を提供できない企業は、この世に存在する価値はありません。弊社の商品はコンピュータシステムやサービスであり、形や色、匂いや味のように人間の感性で直感的に良し悪しを簡単に決められるものではなく、お客様のビジネスそのものをサポートする仕組みです。お客様のニーズに呼応した機能を持った高品質の商品やサービスを永久に提供し続けていかなければなりません。
 更に人口減少や少子高齢化による労働力の減少が見込まれる中、労働力の確保も困難になると予測され、その対策も急務になってきております。
 これらの課題を解決するために社員ひとりひとりが技術力向上に意欲的、永続的に取り組め、末永く働いて頂ける制度の必要性を感じていました。

 

課題解決へのチャレンジ

 

1.取り組み内容や仕組み

 社員が意欲的、永続的に取り組むことができ、そのがんばった成果を会社が評価し社員に還元する制度として「資格手当制度」を導入することしました。
全社員が資格手当の対象者となるよう、官公庁などの入札案件や大手ソフトウェア会社のプロジェクトなどで必要とされる情報系資格の他に営業職、総務部門などで取得してほしい資格も加え、国家資格・公的資格・民間資格別、難易度別にランク付けし明確化しました。

 

2.取り組み後の効果

 資格手当制度導入後、若手社員たちの数名が就業後に会議室などで自主的に勉強する姿を見る機会が多くなり、明らかに学ぶ意識が向上していると感じております。
 また、資格を取得することにより、知識の向上、技術力の向上が図られ、質の高い仕事をすることにより、顧客満足度が向上し、仕事に対する達成感やモチベーションも向上しているように思います。
社員ひとりひとりに自信が生まれ、社内の活性化や定着率の向上に繋がっております。
 今後の課題としては、資格取得に意欲的に取り組む社員とそうでない社員の二極化対策や社員のスキルが向上することによる転職やスピンアウトを心配しており、優秀な社員の皆さんが働き続けてくれる為の更なる魅力的な会社づくりの必要性を感じております。

 

【会社概要】

キステム株式会社
所在地 : 滋賀県大津市浜大津1丁目4番12号
TEL : 077−523−0200(代表)
URL : http://www.kistem.co.jp/
設立年 : 1969年9月4日
資本金 : 5,000万円
従業員数: 229名(社員215名 パート14名)