社長の人材活用日記

    
  

地域の中小企業における人材の採用や活用事例について、成功や苦労の裏話なども交えながら、社長の活動内容を日記スタイルで御紹介します。

  

滋賀県の企業

2017/03/27

株式会社テクナート

   >>第一回
   >>第二回

 

◆ 第一回 ◆

1. 当社の人材活用における課題

 

(ア) 部門間コミュニケーション

当社では、部門間の連携意識の希薄化が課題となっていました。原因は、組織の規模が急速に大きくなったことです。ほんの10年前まで社員32名でしたが、今では社員64名と2倍にまで増加しました。小規模の頃は、部門の垣根は低く、コミュニケーションを円滑に行うことができましたが、規模が大きくなった結果、部門ごとの分業意識が強くなりました。また、課題に直面した時に、自部門だけで結論を出す傾向が強くなりました。部門間の連携も薄くなり、会社全体で課題を解決するという意識が薄くなってしまったように思います。急速な成長は大変喜ばしいのですが、個人個人が組織の変化にまだ適応できていない部分がありました。

 

(イ) 社員の健康

若い世代でも生活習慣病などの健康問題を抱える人が少なからずいることを危惧し、その対策が課題となっていました。当社は平均年齢約36才と比較的若年層で構成されています。そのため、会社全体で健康問題に取り組むべきだという意識はあまりありませんでした。若者が多いから健康問題にはあまり関係ないかというと、そうではありません。テレビ等のメディアでも取り上げられているように、若い世代でも生活習慣病を患うリスクがあります。現在健康であっても、今後健康に生活できるかどうかは、若いうちに生活習慣を良いものにすることが大変重要となります。しかし、ごく当たり前のことでも、実践するのは難しいのが現状です。実際、健康診断の結果を見ても、若い世代でも、結果が思わしくない方が見受けられました。社員の皆さんに、長く健康に働いてほしい。その思いを強く抱くようになりました。

 

   

◆ 第二回 ◆

1.課題解決へのチャレンジ

 

●取組み内容や仕組み

 

(ア)  部門間コミュニケーション

異なる部門の間でのコミュニケーションを活性化する上で、テクナート共済会という組織が一役買っています。テクナート共済会(以下、共済会)は、社員の親睦を深め、福利厚生の充実を推進する組織です。従業員が主体となり、企画・運営しています。以前から活動していたのですが、より活発に活動して頂こうと思い、活動費を増額しました。今は、以前よりも頻繁に福利厚生事業や懇親会等を行い、部門の垣根を超えた、社員同士のコミュニケーションの場をより多く提供しています。ここ数年恒例になっている行事にボーリング大会があります。チーム対抗戦で、上位のチームには景品も準備されています。部門・役職関係なくチームが編成され、どのチームも団結し、熱く盛り上がります。

別の取組みとして、BCP通勤グループの懇親会の開催があります。当社にはBCP(事業継続計画)というものがあり、災害などの緊急時に、社員の安全を確保し、業務をすぐに再開できるようにするための仕組みが整えられています。その中に帰宅方面ごとに分けられたグループあります。その通勤グループを活用し、懇親会を開催することにしました。部門に関係なく集うことができ、緊急時に備えてグループ内の結束を強めることにもなると考えました。

3つめに、若手社員による朝礼を行っています。入社1,2年目のメンバーが中心となり、活動しています。新聞や本を読んで考えたことや、日常の業務を通じて気づいたことなどを1,2年目のメンバーが発表し、別のメンバーがコメントをします。そして、若手の先輩社員のコメントがあり、最後に管理職の社員が助言・激励をコメントします。管理職の社員によるコメントは最近の取組みで、部門だけでなく、立場の垣根を越えた意見交換・コミュニケーションの場となっています。

 

(イ)  社員の健康

社員の健康維持に関する取り組みとして、ガン健診の実施があります。毎年行なっている健康診断に、がん検診を追加で実施することにしました。今まで有料オプションでしたが、会社負担で全社員に受診して頂きました。がんは早期発見が完治への可能性を高めるので、早期発見の機会を会社で提供することが社員の皆さんの健康に寄与すると考えました。

もうひとつの取組みとして、健康を意識したレクリエーションの実施があります。共済会の補助金制度を活用し、社員同士が健康を意識したレクリエーション等を継続的に実施しています。補助金制度により、企画上発生する費用の一部や全額を補助金で賄うことができます。実績としては、マラソン大会への参加やフットサル大会の開催があります。マラソンに関しては定期的に参加するチームが発足し、回を追うごとに参加人数も増えてきています。

 

●取り組み後の効果

 

(ア)  部門間コミュニケーション

取り組みの結果、異なる部門の間でも議論が盛んに行われるようになりました。部門の枠を超えたコミュニケーションが、懇親会等を通じて頻繁に行われるようになった結果、仕事の中でも、部門を超えてのコミュニケーションが円滑に行われるようになりました。

また、部門間のコミュニケーションが盛んになったため、部門同士がよく協力し合えるようになりました。相手を個人的によく知ることで、複雑な内容でも気軽に話し合えるようになったのではないかと考えます。今後、さらに部門間の協力が進めば、課題解決に向けて会社全体で取り組めるようにもなるのではないかと考えます。現在も全体で協力し合い、課題へ取り組んでいますが、まだまだ高みを目指すことができると考えています。総力を結集し、より良いサービスの提供を目指しています。

 

(イ)  社員の健康

取り組みの結果として、会社全体で健康への意識が高まったように思います。健診を通じて、自身の健康状態への関心が高まり、それに伴い日頃から気を付けるようになったと思います。

また、マラソンへ定期的に参加しているメンバーの中には、体力の向上を実感している方がいます。それにより、仕事への意欲が向上したという驚くべき結果も出ています。マラソンに参加するには、それまでに体づくりが必要となります。完走だけでなくより良い結果を目指し、トレーニングや生活習慣の改善を心がけた結果、健康的な生活を手に入れている方が多くいます。マラソン参加メンバーに触発され、参加メンバーが増えつつあります。

社員がより健康になることにより、会社全体の活力がより向上するのではないかと期待しています。

 

【会社概要】

株式会社テクナート
住所  : 滋賀県草津市西大路町2番21号
電話  : 077-569-5881
事業内容: 液晶表示システム、コントローラーの開発・製造
代表者 : 代表取締役社長 藤井義則
創業・設立:1989年5月20日
資本金 : 1200万円
従業員数: 62名