社長の人材活用日記

    
  

地域の中小企業における人材の採用や活用事例について、成功や苦労の裏話なども交えながら、社長の活動内容を日記スタイルで御紹介します。

  

福井県の企業

2017/03/27

株式会社ニホンパッケージ

【会社概要】

株式会社ニホンパッケージ
本社/福井市三尾野町第29号2番地29
設立/1982年9月
代表者/代表取締役社長 奥出 俊雄
事業内容/輸出用機械金属梱包業、一般貨物自動車運送事業、輸出・輸入通関取扱事業、貨物自動車運送取扱事業、機械の搬出入据付け事業
資本金/5000万円
従業員/230人
電話/0776-34-1555
URL/ http://www.n-package.jp

 

【会社紹介】日本と世界の橋渡しをする総合物流システムを構築

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「製品の管理から梱包・輸送・通関手配・国内外の機工まで一貫したシステムがわが社の強み」
 株式会社ニホンパッケージ 奥出俊雄社長

 

 わが社は大型の産業機械や精密機械をパッケージ(梱包)して輸送する会社です。何十トンという重量の機械をスチールや鉄枠、木枠などを駆使して丁寧に梱包します。強みを一言で言うなら「一貫輸送、親切物流」。製品をパッキングして陸送で港まで運び海外の港を経由して現地工場まで運び、かつ荷解きと設置まで行います。通関手続きもすべて請け負っています。海外進出する企業が多い国やエリアにわが社も拠点を設け、2017年現在は、国内に13営業所、中国、韓国、タイにもそれぞれ工場と事業所を構えています。

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DOOR-TO-DOORの「親切物流」を支える特殊車両。一般的な車両・設備にも独自の改良

 

【我が社の人材採用方針】物流の中でも仕事はいろいろ。適材適所を見極め配属

 

 社名にパッケージとあるわが社ですから、やはり梱包部門での採用を行っています。先に述べた通り何十トンの重さの物を梱包するわけですから、一人や二人でできるものではなく、それなりの「体力」と「技術」も必要とします。
 体力面では「体を動かすことが好き」というシンプルな方を求めています。「筋力トレーニングになると思って」と入社希望の動機を語ってくれた学生もいました。もう一つのポイントがあるとすれば「明るく、元気、そして素直」ですかね。社会に出れば当たり前のことではありますが、その基本ができる人をまず採用しています。
 技術面では入社前に何か求めることはありません。むしろ入社後、現場経験を通して技術を身に付けてもらいます。
 さらに、業務に必要な資格の取得や知識の向上を促すための勉強会や研修も、定期的に実施しています。例えば、梱包分野では、工業包装技能士といった国家資格や梱包管理士や溶接技能士など、また運送や国際分野では大型運転免許、通関士など、さまざまな資格取得を目指してもらっています。
 当社は、お客さまと交渉する営業部、輸出入の手配など貿易事務を行う国際部、搬出搬入・据付など輸送業務を行う物流事業部など色々な部署があります。入社後も、業務や研修などを通じ、希望や適性を踏まえ、適材適所に職をマッチングしていきます。

 

【我が社の採用活動】具体的な仕事や会社の規模を感じてもらう事前見学会を実施

 

 これまでハローワークや求人雑誌で人材募集をしてきましたが、紙面で募集してもなかなか集まらなくて。2016年の秋に中央会さんから「ものづくり業界課題解決マッチング会」(『近畿経済産業局の地域中小企業人材バンク事業』)に声を掛けていただいて、参加させていただいて驚きました。成果が大きく違ったんですよ。
 マッチング会では「ものづくりや物流に興味がある」という若い人たちにわが社の働く現場を見ていただきました。大型トラックや大型機械を目にすると、普段知らない世界なので刺激になるようですね。今まで「どんな仕事をするのか」「仕事場はどんなところなのか」といったところが紙面からは伝わらずにいたのでしょう。事前に現場を見学していただくと応募の件数が増えることが分かり、「事前見学会」が採用側も希望者にとっても有意義であると感じました。海外に拠点があるので「語学力が必要ですか?」という質問もありますがそんなことはない。正直申せば、やる気があれば言葉はすぐに覚えられますよ。海外拠点に業務と研修を兼ねて送り出すこともあります。「海外での仕事にも挑戦したい!」という前向きな学生に来てほしいなと思っています。

 

np-7.jpg「2017年2月現在、8つの海外拠点を設け、海外進出企業を支援しています」

 

【成果】なぜ評価されたのかを明確にして本人に伝え、モチベーションをアップ

 

 2016年12月に採用した男性は、現場に慣れてきて「次は何をするか」という意欲が出てきました。「資格があればできる仕事も広がる。それなら取得の勉強をしよう」とやる気が湧き出てきたようで、私としてはその成長が誇らしい。わが社ではこうした社員のやる気に報いるため、1年に一度、ホテルを会場に功労賞の授与式を行っています。1部署1名ずつ推薦を受けた社員たちが全拠点から集まる場で、私は「何を評価したのか」をしっかり伝えます。私は「現場の働きを評価する」ように心がけており、決して社長に声が届かないような会社にしたくないんです。現場を管理する工場長にも現場の課題や希望に対して直筆の書面で返答しています。人事について定期的に面談を行い、本人の成長に合わせてリーダーに昇格させます。会社が成長すれば部署も増えていくので、新部署を任せられる人材を育てたい。社員個人の成長とともに、社員全員の力で会社が成長するように常に考えています。

np-8.jpg本社全景