地域のリーディングカンパニー

地域を代表する中小企業に焦点を当て、人材の確保・育成に関する取組や事業活動の特徴について取材しました。

滋賀県の企業

2017/03/02

甲賀高分子株式会社

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1.事業内容と沿革および事業上の強み

 

『業務内容と沿革』

食品のパッケージやレジ袋等のプラスチックフィルム、包装用・工業用のテープ、緩衝材、物流資材・機器、自動車や家電製品の部材など、プラスチックを中心とする約4万アイテムの包装用・工業用製品を全国約5000の事業所に提供しています。業態別で見ても1次産業から3次産業まで網羅する幅広い取引があります。そして、外部メーカー350社を持つワンストップ型ファブレス企業です。

プラスチックの素材や包装システムのことなら、まず甲賀高分子であるとの信頼を得て創業以来一貫して黒字でプラス成長を続けています。
製品には甲賀高分子の名前は出ませんが、産業活動に欠かせないモノとサービスを提供しています。さらなる飛躍を目指し、高分子素材のハード&ソフトメーカーとして、業界での「日本で一番の会社」を目指しています。それは、新しいプラスチック素材やシステム開発を通じて、顧客ニーズに応え、全産業界の繁栄に貢献することが当社の存在価値だと考えているからです。そのためにも新規顧客開拓の努力を日々積極的に行っています。

 

『事業上の強み』

強みとしては、製造部門を持たず、製品の企画や開発で勝負するファブレスメーカーであり、包装プランナーと呼ぶ営業担当者がお客様のニーズや問題解決に向け、高分子素材(プラスチック)による多様な製品を提案できることです。
 2つ目が5000社を数える取引社数で、業態別で見ても第1次産業から第3次産業まで網羅する幅広い取引があることです。

具体的には、営業担当の多くが実際に「包装士」という資格を持っており、専門知識と資格を持った「包装のエキスパート」として、包装、梱包、パッケージング、ラッピング等のあらゆるスタイル、それに応じた素材、その膨大な組み合わせから、「どんな素材で、どんな形状が最適か」、「どんな保護が必要か」、あるいは「どんな見せ方が有効か」というディスプレイ方法や「どんな運び方が安全か」といった輸送方法にいたるまで、あらゆるシーンで総合的に、最適なアドバイスやご提案をしています。

斬新な発想でこれらの提案ができるのは、大手製造企業から小さな農家まで、幅広い業種と規模の取引があるからです
 西日本、東日本を問わず、7つの営業拠点、それぞれの現場で得たノウハウなど膨大な蓄積データがあり、ひとつの業種だけでは分からない、他にはない発想でご提案が可能なのです。今、世の中にない製品も、蓄積データと業種の枠を超えた発想で、より最適な製品を生み出すことのできる研究開発型企業です。すべての製品の85%がお客様のニーズやお困りごとに応えて独自に設計・開発したものです。

 

2.人材の確保・定着に関すること

 

『人材の確保・定着』

採用は待ちの姿勢から積極姿勢に変えており、地元はもとより、大阪・京都で就職セミナー・説明会等に社長が率先垂範で参加し、「仕事も遊びも一流になることに挑戦」するというベクトルに共感してもらえる人を求めています。時には就職の相談にのることがあります。面接は価値観のすり合わせ、確認をしてミスマッチのないようにしています。

入社後も若手社員を対象に、社長が講師の社長塾を月一回行い、世の中の動向や仕事のこと、時には人生設計の話もして、風通しのよいコミュニケーションを深めています。

社内報も社員の自宅に送り、家族の方にも、会社の様子をお知らせすることで、情報を共有するとともに安心してもらっています。

 

『働き方についての取組は』

当社では、男性も女性も働きやすく、能力が十分発揮できるようにワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいます。平成27年2月に、厚生労働省から次世代育成支援企業として「くるみん」の認定を受けました。

平成28年には「将来世代応援知事同盟」から最優秀将来世代応援企業賞を受賞して、これまで取り組んできた労働環境づくりや地域活動が認められました。

甲賀高分子では他社ではできないたくさんの経験することができ、自身が大いに飛躍できるビジネスフィールドを提供します。それは社会人としての成長や人間としての成長に、必ずつながります。

 

『目標は日本一面白い会社』

創業以来45年、甲賀高分子はプラスチック一筋に、顧客に喜んでいただくことを第一に考えて歩んできました。顧客は全国約5000の事業所。さらに多くの企業に喜んでもらえるよう、「日本一面白い会社」を目指しています。

日本一面白い会社とは、日本一やりがいや達成感が実感できる会社です。社員が同世代でナンバーワンの人財となれるよう、時には厳しく、時には優しく育てています。甲賀高分子は教育熱心であり、OJT、OFF-JTの多様な取組みを通じて、仕事経験を充実したものにすることに注力しています。これらによって自己実現を図ることが可能となります。

 

3.地域の産業・経済との関わりや地域に対する思い(地域貢献等)

 

『地域の産業・経済との関わり』

 地方の時代を産業で拓く、それが甲賀高分子の理念であり、創業者の思いでもあります。昭和47年、滋賀県初のプラスチックを主とする専門包装資材の会社を設立し、周辺地域の産業・物流の一翼を担ってまいりました。地域に根ざした企業でありたい、地域の発展、活性化へ寄与していきたいという姿勢は、創業以来、現在も変わらないポリシーです。

そして今、視線は次代へ、世界へと向けられています。産業活動や環境問題が地球規模で展開する今日、甲賀高分子株式会社が果たすべき役割は非常に大きく、意義あるものだと感じています。甲賀の地から、よりいっそうの飛躍を目指して、日々精進していきます。

 

『地域活動』

地域活動は「地域があって我々が存在する」の精神で全社を挙げて行っています。地元小学校の環境学習に積極的に応援したり、毎年、滋賀経済同友会が主催するヨシ刈りに参加しています。また、びわ湖放送主催「BBCエコエコキャンペーン」の環境保全の一環として植樹・育樹に参加しています。

さらに、地元企業として日本初のフットサル専用スタジアム『滋賀石部スタジアム』の開設・振興・普及を支援するなど、多彩な活動を続けています。

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【会社概要】

甲賀高分子株式会社  KOGA POLYMER CO., LTD.
住所  : 〒520-3188 滋賀県湖南市石部北1丁目4番26号
TEL : 0748-77-2456(代)
URL : http://www.koga-polymer.co.jp/
設立  : 1972年(昭和47年)3月10日
資本金 : 2,400万円
社員数 : 84名
代表取締役会長: 石田 晃朗(いしだ てるお)
代表取締役社長: 石田 秀幸(いしだ ひでゆき)